中島敦の『父から子への南洋だより』、読んでいます。
中島敦と言えば、『山月記』ですね。
三十三才で亡くなりましたが、亡くなる前年の1941年に南洋庁(パラオ)に現地の人向けの教科書を編纂する役で赴任していたのですが、その南洋の島々から日本に置いてきた二人の幼児に沢山の絵葉書を送っていたのが、この本に収録されています。
開戦前夜の日本が統治していた現地の日本人の様子や南の島の風俗、自然、人々の往来がよくわかります。
「今、サイパン島のガラパン町にいます。とても あつい。
のどが かはいてたまらない。
サイダーを もう三本のみました。
また これから一本飲みます。
へいのかきねのヒビスカスの花が まっかです。」
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